出来立てのブッラータを買って追熟、食べごろを待って食す喜び!プーリアに行かなくても

出来立てのブッラータを買って追熟、食べごろを待って食す喜び!プーリアに行かなくても

ついに、というか突如、ブッラータチーズのお取り扱いがスタートしました!

というのは、私の中ではいつもいつも美味しいモツァレラ/ブッラータチーズを見つけたら、うちのパスタを買ってくださってる皆さんに真っ先に教えたいシェアしたい!!と思っていたわけなんです。

美味しい美味しくないって、完全に好みの話ですが、私の中の美味しいモツァレラの位置付けって、やはりどーしてもイタリアのプーリアで食べた味の記憶が常にトップに君臨してます。

プーリアのMartina Francaのcaseificio(カゼイフィーチョ;チーズ作るところです)

現地で食べたブッラータの美味しかったこと…宿に持って帰って、オイルも塩もなしに食べたにも関わらず。いつ食べるかと聞かれ、「今日!」と答えたら、今日食べ頃のやつを渡してくれるわけです、最高。

ブッラータチーズとは、南イタリア・プーリア発祥のフレッシュチーズの一種です。

たたでさえ美味しいモツァレラチーズの中に、モツァレラを割いた繊維状のチーズと生クリームを合わせた「ストラッチャテッラ」という、チーズの旨み爆弾のような、水風船状のものです。

国産のモツァレラやブッラータで、同じくらい美味しいものにももちろん出会ったことはあります、少ないですが。

でもそうなると、新規のお取引はできなかったり、ご紹介できるお値段帯ではなかったり…

そりゃそうなんです、やはり手のしパスタと同じようにそもそもたくさん作ることができない、少量を手作りするから美味しさが保てている部分があるわけですから、なかなかロングジャーニーだなと思ってたんです。

ところが、突如出会ってしまった、めちゃ美味しいブッラータに!

しかも、工房の並びの湘南・茅ヶ崎。

なんとなくイタリア感強めの看板
早速チーズ作りの現場を見せていただきました。
工房見学でまず驚いたのが作業部屋の室温、サウナのよう。
聞くと、乳酸菌の発酵を促しながらちょうどいいカード(チーズのもと)の温度を保つためには38℃ほどの室温が適温だそうです。

かなりハードな作業…

つやつやほやほやのカード、モツァレッラチーズの素
まずは大きな業務用のステンレスタンクで生乳を殺菌・乳酸菌発酵。

ホエイと分離したカードを取り出し、これを少しずつカットして、お湯を加えながらぐるぐる木の棒で混ぜる。

この完全手作業が大切、木の棒から手に伝わる感覚を探りながら繊維状にチーズを伸ばしていく
ただでさえ暑い室内で、湯気の上がるボウルをの中を手早くぐるぐるかき混ぜる、オールハンド!気の遠くなる地道な作業。
美味しいを追求するのは、やはり伊達ではない。

ぐるぐるぐるぐる混ぜていると、カードが解けて伸びて、どんどん伸びて、細い細い繊維になっていく。

美味しいモツァレラとそれ以外を分つのはここかもしれない。

この繊維状のチーズが水分を抱き込み、ちょうどいい柔らかさと食感となり、モツァレラの美味しさになる。

こうやって次から次に出来上がった、そのモツァレラの「元」をお湯に潜らせると、親指と人差し指の間からむにゅっと、わたしたちの知っている表面のツルッとした白くてかわいらしいあの子が誕生する。
このように生まれた日に私が直接取りに伺って、翌日には皆さんに発送できちゃう

さて、忙しい飲食店にチーズ工房を合体させてしまう熱い男、作り手の澤井シェフになぜ茅ヶ崎でチーズ作りを始められたのか伺いました。

当初は料理の修行で訪れたイタリア、帰国したらすぐに自分のお店を始めるつもりだったそうです。

イタリア料理修行中の澤井シェフ。 Esseさんはオステリアとしても美味しい料理を提供されてて、二足の草鞋全部履いてガシガシ走ってる感じ。
ところが、修行を終えて帰国の前にイタリア各地を旅行した際に寄ったプーリアで、作りたてのモツァレラチーズを食べてしまって、その美味しさに衝撃を受けてしまった。
その足でプーリアを始め、イタリアの北から南までチーズ製造者を訪ね歩き、チーズを食べて回ってから帰国。

その後、北海道へ飛び、一からチーズ作りを学ぶのです。

北海道でのチーズ修行を終え、チーズ作りで改めて独立しようと、まず原料の牛乳探しの旅に出ますが、これが難航。

各地の酪農家へ足を運び、断られ続けても諦めず、最終的に横浜で「これは!」という牛乳に出会います。

それが、オーガスタミルクファームさん、現在の原料の生乳の生産者さんでした。

その貴重な生乳を新鮮なうちに運べる圏内、ということで新境地茅ヶ崎に飛び込み、お店をオープンされたのが2019年。

私が東京の西小山にPastificio Sugino をオープンしたのとほぼ同じ時期ですので、妙に親近感が湧きます。

かわいいかわいいBurrataのおしり、どっしり

出来立てのブッラータはびっくりする食感で、歯が痒くなるというか脳が痒くなるというか、きゅきゅっと歯を刺激する。

食べ頃のブッラータは濃厚でクリーミー、なんのひねりもないけど、事実そのまんまの美味しさです。

あまり日持ちしないため、また、その水風船のような繊細な形状のためか、長年プーリアから外に出ることがなく、ほんの一部地域だけで食されてきたこのチーズ。

実は近年の輸送技術の向上により突如日の目を浴びることになり、あっという間にイタリアンのみならず、世界中で人気の高いチーズになりました。

とはいえ、やはり肝は新鮮さ。

この出来立ての新鮮なブッラータチーズを、新鮮なうちにご自宅にお届けします!

出来立てチルドのブッラータは乳酸菌が生きているので、賞味期限内でも発酵が進みます。
乳酸菌発酵が進むと、わずかに酸味が出てきて、チーズがモチッと柔らかくなります。

中のストラッチャテッラとより一体感が出てきて、一層クリーミーに変化。

スタッフの方は「個人的に2日目が好きです」と教えてくれましたが、私は個人的に3日目以降が好きでした。

うちの冷蔵庫には、明日で製造日から5日目のモツァレラが入ってるんです、試食するのが楽しみでならない。

国内で、茅ヶ崎で、プーリアのあの食べ頃を待って食べる美味しいブッラータに出会えたことに感謝です。

皆さんもぜひ追熟を楽しんでご自分の好みを見つけてください、美味しいオリーブオイルと塩を用意して待機されることをお勧めします☻

フルーツが美味しい季節になって来ました、晩夏の桃やプルーン、初秋の葡萄やいちじくと合わせるのもいいし、大きいので半分は前菜で楽しんで、半分はパスタにのせたりしても◉